2)特許行政年次報告書から – その2

今回は、報告書からうかがえる中国知財の状況にふれてみたいと思います。

中国専利(特・実・意)出願の増加トレンド

よく知られているように中国の知財制度では特許・実用新案・意匠をひとまとめにして「専利」といいます。特許・実用新案・意匠それぞれの出願数が(商標の出願数ともども)圧倒的に世界一多いことも、もはや常識レベルになっています。筆者が注目するのは、出願数を権利の種類(特許・実用新案・意匠)ごとに見たときの伸び率がどうかです。

最新の2018年の出願数を、4年前の2014年の出願数と比較してみると次のとおり(出願数は四捨五入して万件単位で表示)、権利の種類ごとに伸び率に大きな違いがあることが分かります。:

(中国特許出願)

2018年 154万件
2014年  93万件
 → 4年前からの伸び率=166%

(中国実用新案登録出願)

2018年 207万件
2014年  87万件
 → 4年前からの伸び率=238%

(中国意匠登録出願)

2018年  71万件
2014年  56万件
 → 4年前からの伸び率=126%

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1)特許行政年次報告書から – その1

ちょうど1ヶ月前の7月12日に、2019年版 の「特許行政年次報告書」が公表されています(電子ブック版は7月30日に掲載)。この報告書は、日本国内そして海外の知財をめぐる状況を把握するのに役立つ情報を多く含み、筆者はいつも目を通すのを楽しみにしています。以下、個人的に注目したデータをいくつか挙げてみることにします。

特許査定率の高止まりはいつまで続く

実務者にとって特許査定率(審査請求された特許出願のうち登録に至るものがどのくらいの割合か)は大いに気になる値です。2018年は75.3%、これで3年連続で約75%となりました。つまり4件のうち3件が審査段階で登録されているわけです。2019年版に表で示された(本誌3頁)データは2013年までの6年分ですが、過去の報告書も参照してもう少しさかのぼってみると次のようになります:

2018年 75.3%

2017年 74.6%

2016年 75.8%

2015年 71.5%

2014年 69.3%

2013年 69.8%

2012年 66.8%

2011年 60.5%

2010年 54.9%

2009年 50.2%

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