今回は、報告書からうかがえる中国知財の状況にふれてみたいと思います。
中国専利(特・実・意)出願の増加トレンド
よく知られているように中国の知財制度では特許・実用新案・意匠をひとまとめにして「専利」といいます。特許・実用新案・意匠それぞれの出願数が(商標の出願数ともども)圧倒的に世界一多いことも、もはや常識レベルになっています。筆者が注目するのは、出願数を権利の種類(特許・実用新案・意匠)ごとに見たときの伸び率がどうかです。
最新の2018年の出願数を、4年前の2014年の出願数と比較してみると次のとおり(出願数は四捨五入して万件単位で表示)、権利の種類ごとに伸び率に大きな違いがあることが分かります。:
(中国特許出願)
2018年 154万件
2014年 93万件
→ 4年前からの伸び率=166%
(中国実用新案登録出願)
2018年 207万件
2014年 87万件
→ 4年前からの伸び率=238%
(中国意匠登録出願)
2018年 71万件
2014年 56万件
→ 4年前からの伸び率=126%